
救急外来
当院では整形外科分野の総合的な診療を目指しています。
整形外科は運動器の疾患を扱う診療科です。身体の芯になる骨・関節などの骨格、筋肉や腱、運動・感覚神経からなる「運動器」を治療する診療科です。背骨と脊髄を扱う「脊椎・脊髄外科」、上肢を扱う「手の外科」や「肩関節外科」、下肢の「股関節外科」、「膝関節外科」、「足の外科」、スポーツや交通事故、労働災害によるけがや障害、リウマチ、腫瘍(できもの)、骨粗鬆症など幅広く、総合的に診療いたします。また、当院では『脊椎脊髄センター』『骨軟部腫瘍センター』『膝関節センター』を設置し、専門の医師による診療を強化しています。加えて、人工股関節全置換術及び人工膝関節全置換術において、当院では「Makoシステム」を導入し、ロボティックアームを用いた手術を保険適用で受けていただくことができます。
転倒などによる脊椎圧迫骨折(背骨の骨折)や手足のしびれ、痛みを生じる椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などの治療を行っています。患者様の病態に応じて、保存加療(薬物治療やリハビリテーション)、手術を行います。脊椎の手術では、顕微鏡を用いて手術視野を10倍以上に拡大し、両目で立体的に見ながら非常に細かい手術を安全に実施しています。その他にも経皮的椎体形成術(Balloon Kyphoplasty; BKP)やヘルニコアを用いた治療も提案しています。
BKPは骨粗鬆症などによって生じた背骨の圧迫骨折による腰背部痛を改善させる手術です。
全身麻酔で、背中に約5mmの切開を潰れた背骨の両側に入れて、そこから潰れた椎体の中に丈夫な風船を入れ、骨の中で風船を膨らませ、潰れを直し、骨の中に空洞(穴)をつくります。その後、その穴の中に骨セメントを充填して、骨の内側から背骨を固めるものです。手術は20~30分で終了し、ほとんど出血もありません。
がんは内臓などの上皮組織に発生した悪性腫瘍ですが、骨・軟部腫瘍は、骨や軟部組織(脂肪・血管・神経・筋肉など)に発生した腫瘍です。良性と悪性があり、骨腫瘍には良性の軟骨腫・内軟骨腫・骨巨細胞腫など、悪性の骨肉腫・軟骨肉腫などがあり、骨腫瘍類似疾患として線維性骨異形成・骨嚢腫・非骨化性線維腫などがあります。軟部腫瘍には良性の脂肪腫・血管腫・神経鞘腫など、悪性の脂肪肉腫・未分化多形肉腫・粘液線維肉腫などがあります。 骨腫瘍は運動時の深部の痛み、軟部腫瘍は体のしこりや腫れで気づくことがあります。画像検査で偶然見つかることも多々あります。良性の場合、必ずしも切除する必要はありませんが、悪性の場合、早期に診断し治療を開始する必要があります。骨・軟部腫瘍センターは、MRI・CTなどの画像検査や生検や摘出術などの手術が比較的早期に実施できる体制があります。運動時の骨の痛みや体のしこりに気づいた方は受診してください。
膝関節は体を支える重要な関節であり、スポーツによる膝関節外傷から、年齢的な変化による変形性膝関節症まで様々な疾患・病態があります。スポーツ外傷では前十字靭帯損傷・半月板損傷が多く、一旦生じてしまうと自然回復は困難であり、スポーツに復帰するしないに関わらず、将来的な膝の変形を生じないためにも手術治療が必要となります。膝関節を構成する軟骨・半月板は血流が乏しく、一旦傷つくと自然には修復されない組織であり、放置しておくと変形性膝関節症に進行していきます。一旦痛みで悩まされるとなかなか改善しないため、早期の治療が望まれます。当院では、膝スポーツ外傷の治療から変形性膝関節症の治療まで幅広く対応いたします。 近年では再生医療に注目が集まっており、半月板・軟骨損傷などに対し、自己の血液を加工し組織再生に役立つ成分のみを回収して注射を行うPRP(Platelet Rich Plasma:多血小板血漿)療法、また自分の軟骨を採取し、軟骨損傷部位に移植する培養軟骨移植術などの再生医療も可能です。
骨盤~足の骨折、股関節や膝関節、足関節の変形性関節症、アキレス腱断裂などの治療を行っています。骨折の場合はできる限り早く回復していただくため、骨折部分をしっかりと整復(正しい位置に戻す)し固定する治療を行い、術後翌日からリハビリテーションを行います。 変形性関節症の場合は保存加療、人工の関節に置き換える手術など患者さまの病態に応じて治療を提案しています。
肩~手の骨折や脱臼をはじめ肩関節周囲炎(いわゆる四十肩、五十肩)、肩や手の腱が切れて動かしにくくなる腱断裂、指が動かしにくくなるばね指などの治療を行っています。患者さまの病態やご都合も考慮して入院や外来での治療を行います。
骨粗鬆症とは、骨の量(骨量)が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。当科では血液検査やX線(レントゲン)検査だけでなく、骨密度測定を行い、内服薬や注射などによる治療を行います。より正確な骨密度を測定するために、DXA法を用いて腰の骨と足の付け根の骨の骨密度を計測します。
当院では、地域の医療機関の先生方から骨密度検査のご予約を承っております。検査のみでなく、診察や推奨薬の紹介といった組み合わせで、先生方のご要望にお応えいたします。各医療機関の皆様におかれましては、ご活用いただきますようお願いいたします。
PRP療法とは
PRP療法とは、生体が本来持つとされる自然な治癒反応を促進する新しい治療法です。患者さまの自己血から血小板を収集・分離し高濃縮の自己由来血液成分(L-PRP:高白血球多血小板血漿)を作り患部へ投与すると、L-PRP に含まれる血小板が活性化すると各種成長因子が放出され、「自己の治癒力」を高めて患部の疼痛の軽減や傷んだ組織の修復を促します。
PRP療法の種類
当院のPRP療法には2種類あります。ひとつは関節治療に用いるAPS療法(次世代PRP療法)、もうひとつは関節以外の部位に用いるPRP(GPS)療法です。
APS療法(次世代PRP療法)とは
関節の痛みや炎症に対する治療法は、軽度であれば消炎鎮痛薬やヒアルロン酸の関節注射、リハビリテーションなどの保存療法が行われます。保存加療で効果のない重度の場合は手術療法となります。従来の保存療法と手術療法の間を埋める第3の治療法がAPS療法(次世代PRP療法)です。APSはPRPから抗炎症成分など関節の健康に関わる成分を取り出したものです。関節内で炎症を引き起こすタンパク質(IL-1やTFN-αなどの炎症性サイトカイン)のバランスを整えることで、炎症を抑え、痛みの軽減が期待できます。
PRP(GPS)療法
PRPは主に筋・靭帯や腱などの組織修復を促すことが期待されます。主な対象疾患は上腕骨外側上顆炎、膝蓋腱炎、アキレス腱炎、足底筋膜炎、靭帯損傷、その他の腱付着部炎などです。スポーツ外傷の早期修復が期待できます。
【長所】
【短所】
【適応除外基準】
この治療法は、再生療法(再生医療等の安全性確保等に関する法律)に基づき厚生労働省より認可を受けた医療機関のみで受けることが出来ます。詳細は当院の担当医師やスタッフにお気軽にご相談ください。
PRP-FD療法
PRP-FD(自己血小板由来成分濃縮物)とは、PRPを活性化し、さらに無細胞化・濃縮した上でフリーズドライ化(粉末化)したものです。血小板は血液中に数多く存在する細胞のひとつで、血管が損傷したとき損傷した場所に集まって止血をする働きがあり、その止血過程において多量の成長因子を放出します。この成長因子には組織損傷に伴う炎症を鎮静化させ、組織修復のプロセスを開始する働きがあり、血小板の放出する様々な成長因子を使って痛みを緩和し、より早い組織修復を促す方法がPRP-FD療法です。静脈から血液を採取し特定細胞加工物製造許可施設へ搬送しPRP-FDを作成し、患部に注射します。PRP療法との違いは、成長因子の総量が多いこと、PRP-FDの作成に時間がかかること(PRP療法が採血当日に注射するのに対し、PRP-FDは採血から約3週間かかります)、保存期間が約半年間あり複数回にわけて注射を打つことが可能という点です。
1.体外衝撃波とは?
2.治療の特徴
3.注意事項
4.体外衝撃波治療の効果
注意点:
5.当院の治療の流れ
詳しい診察後、次回の照射予約を設定。 | ![]() |
2. 治療前のセッティング 照射部位の特定と体位の調整。 | ![]() |
3. 治療開始 患者の反応を見ながら強度を調整。 1回の治療は約15分。 | ![]() |
4. 治療回数 1~2週間間隔で複数回照射。 最適な効果を得るためには、 通常2回以上の照射が推奨されます。 | |
5. 効果の確認・次回予約 効果の確認後、次回照射の予約。 | ![]() |
6.治療料金の概要
7.使用機器
当院は先進の「DUOLITH®SD1」を使用。
8.適応疾患
保険適用:難治性足底腱膜炎
医療機関での診断後、6か月以上保存加療を行い症状が続く方が対象です。
保険適用外:
9.禁忌事項
10.安全性と副作用
11.その他