整形外科

当院では整形外科分野の総合的な診療を目指しています。

整形外科は運動器の疾患を扱う診療科です。身体の芯になる骨・関節などの骨格、筋肉や腱、運動・感覚神経からなる「運動器」を治療する診療科です。背骨と脊髄を扱う「脊椎・脊髄外科」、上肢を扱う「手の外科」や「肩関節外科」、下肢の「股関節外科」、「膝関節外科」、「足の外科」、スポーツや交通事故、労働災害によるけがや障害、リウマチ、腫瘍(できもの)、骨粗鬆症など幅広く、総合的に診療いたします。

患者さまへ
当科は通常の外来だけでなく救急外来も対応しております。(月の救急車受け入れ台数:約60件)。救急搬送された患者さまの状態によっては、通常外来の患者さまに診療をお待ちいただくことがあります。

当院の主な疾患と治療方法

脊椎

転倒などによる脊椎圧迫骨折(背骨の骨折)や手足のしびれ、痛みを生じる椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などの治療を行っています。患者様の病態に応じて、保存加療(薬物治療やリハビリテーション)、手術を行います。脊椎の手術では、顕微鏡を用いて手術視野を10倍以上に拡大し、両目で立体的に見ながら非常に細かい手術を安全に実施しています。その他にも経皮的椎体形成術(Balloon Kyphoplasty; BKP)やヘルニコアを用いた治療も提案しています。

 

 

BKPは骨粗鬆症などによって生じた背骨の圧迫骨折による腰背部痛を改善させる手術です。
全身麻酔で、背中に約5mmの切開を潰れた背骨の両側に入れて、そこから潰れた椎体の中に丈夫な風船を入れ、骨の中で風船を膨らませ、潰れを直し、骨の中に空洞(穴)をつくります。その後、その穴の中に骨セメントを充填して、骨の内側から背骨を固めるものです。手術は20~30分で終了し、ほとんど出血もありません。

骨盤~足

骨盤~足の骨折、股関節や膝関節、足関節の変形性関節症、アキレス腱断裂などの治療を行っています。骨折の場合はできる限り早く回復していただくため、骨折部分をしっかりと整復(正しい位置に戻す)し固定する治療を行い、術後翌日からリハビリテーションを行います。変形性関節症の場合は保存加療、人工の関節に置き換える手術など患者様の病態に応じて治療を提案しています。

肩~手

肩~手の骨折や脱臼をはじめ肩関節周囲炎(いわゆる四十肩、五十肩)、肩や手の腱が切れて動かしにくくなる腱断裂、指が動かしにくくなるばね指などの治療を行っています。患者様の病態やご都合も考慮して入院や外来での治療を行います。

骨粗鬆症

骨粗鬆症とは、骨の量(骨量)が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。当科では血液検査やX線(レントゲン)検査だけでなく、骨密度測定を行い、内服薬や注射などによる治療を行います。より正確な骨密度を測定するために、DXA法を用いて腰の骨と足の付け根の骨の骨密度を計測します。

手術に代わる新しい治療の選択肢 再生医療等

当科では再生医療として多血小板血漿療法(PRP療法)やAPS療法(次世代PRP療法)を実施しています。


PRP療法とは
PRP療法とは、生体が本来持つとされる自然な治癒反応を促進する新しい治療法です。患者さまの自己血から血小板を収集・分離し高濃縮の自己由来血液成分(L-PRP:高白血球多血小板血漿)を作り患部へ投与すると、L-PRP に含まれる血小板が活性化すると各種成長因子が放出され、「自己の治癒力」を高めて患部の疼痛の軽減や傷んだ組織の修復を促します。

PRP療法とは


PRP療法の種類
当院のPRP療法には2種類あります。ひとつは関節治療に用いるAPS療法(次世代PRP療法)、もうひとつは関節以外の部位に用いるPRP(GPS)療法です。


APS療法(次世代PRP療法)とは


関節の痛みや炎症に対する治療法は、軽度であれば消炎鎮痛薬やヒアルロン酸の関節注射、リハビリテーションなどの保存療法が行われます。保存加療で効果のない重度の場合は手術療法となります。従来の保存療法と手術療法の間を埋める第3の治療法がAPS療法(次世代PRP療法)です。APSはPRPから抗炎症成分など関節の健康に関わる成分を取り出したものです。関節内で炎症を引き起こすタンパク質(IL-1やTFN-αなどの炎症性サイトカイン)のバランスを整えることで、炎症を抑え、痛みの軽減が期待できます。

PRP(GPS)療法
PRPは主に筋・靭帯や腱などの組織修復を促すことが期待されます。主な対象疾患は上腕骨外側上顆炎、膝蓋腱炎、アキレス腱炎、足底筋膜炎、靭帯損傷、その他の腱付着部炎などです。スポーツ外傷の早期修復が期待できます。


【長所】

  • 自己組織由来のため、アレルギーが起こりにくい。
  • 日帰りで処置が可能。
  • 治療後から普段の生活が可能。
  • 治療手技が簡単で、治療痕が残りにくい。


【短所】

  • 効果には個人差があり、効果を感じられる方とそうではない方がおられます。効果が現れるまでの期間や効果持続期間にも個人差があります。
  • 軟骨欠損や関節の変形を根本から治す治療ではありません。
  • 実施後に数日間 、炎症(痛み、熱感、赤み、腫れ)を伴う場合があります。
  • 投与箇所、採血部に感染症が起こる可能性があります。
  • 自由診療であり、公的医療保険の適用を受けることができません。


【適応除外基準】

  • 1か月以内に本治療を受けたことがある
  • 転移を伴う癌または白血病と診断され、あるいは治療を受けている
  • 活動性の全身性炎症性疾患を有する
  • 投与部位に皮膚感染症を合併している
  • 重篤な合併症を有する (重篤な心臓・肺・肝・腎疾患、出血傾向、コントロール不良な糖尿病や高血圧症、AIDSなど) ・薬剤過敏症の既往歴を有する
  • その他、担当医が不適当と判断した場合

この治療法は、再生療法(再生医療等の安全性確保等に関する法律)に基づき厚生労働省より認可を受けた医療機関のみで受けることが出来ます。詳細は当院の担当医師やスタッフにお気軽にご相談ください。

当院ではPRP療法以外にPRP-FD療法も行っています。


PRP-FD療法
PRP-FD(自己血小板由来成分濃縮物)とは、PRPを活性化し、さらに無細胞化・濃縮した上でフリーズドライ化(粉末化)したものです。血小板は血液中に数多く存在する細胞のひとつで、血管が損傷したとき損傷した場所に集まって止血をする働きがあり、その止血過程において多量の成長因子を放出します。この成長因子には組織損傷に伴う炎症を鎮静化させ、組織修復のプロセスを開始する働きがあり、血小板の放出する様々な成長因子を使って痛みを緩和し、より早い組織修復を促す方法がPRP-FD療法です。静脈から血液を採取し特定細胞加工物製造許可施設へ搬送しPRP-FDを作成し、患部に注射します。PRP療法との違いは、成長因子の総量が多いこと、PRP-FDの作成に時間がかかること(PRP療法が採血当日に注射するのに対し、PRP-FDは採血から約3週間かかります)、保存期間が約半年間あり複数回にわけて注射を打つことが可能という点です。

名前写真常勤・非常勤専門
平松 廣夫常勤骨折・整形外科一般・リハビリテーション
平松 恵一常勤整形外科一般
髙澤 篤之常勤整形外科一般
室積 正人常勤整形外科一般
真鍋 英喜常勤整形外科一般・脊髄・脊椎外科
柏木 健児常勤整形外科一般
信岡 乃理常勤整形外科一般・形成外科
梶川 和穂 非常勤整形外科一般・リウマチ
大饗 和憲 非常勤整形外科一般・整形外科外傷
石川 正和 非常勤整形外科一般
中佐 智幸 非常勤整形外科一般
兒玉 祥 非常勤整形外科一般